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2017年3月17日 (金)

東奥春秋(コラム)

語り部の元県警本部長

かつて青森県警本部長を務め、東日本大震災発生時に宮城県警本部長だった竹内直人さん(59)は、退官した現在、語り部の顔を持つ。震災の教訓を語り、全国警察に支援への謝意を伝える「警察謝恩伝道士」を名乗り、各地で講演している。

いわく「話の大半は自分の手痛い体験談」。大混乱の中、震災対応に当たった自身の経験を誠実に検証し、失敗や苦悩を包み隠さず明かす。

震災発生当夜、宮城県警は「仙台市荒浜で200~300の遺体発見」と発表したが、実際は別の場所で多く見つかり、結果的に誤報だった。警察内ですら伝聞・推測情報がいつのまにか事実と化しており、「目で見た事実を冷静に積み上げるべきだった」と自省する。

同県警では大津波で14人が殉職。「なぜ海岸線からの一斉撤収指示を出せなかったか」。悔恨・無念の思いは今も消えないが、部下の多くは「住民がいる限り、指示があっても逃げなかった」と使命感に燃えていたという。過酷な場面で最適解を見いだすのは難しい。

「確率がゼロでない災害は、いつか必ず起きる」と竹内さん。語り部を続ける理由は「私のような後悔をしてほしくない」との思いに収斂する。再び大災害に直面した際、われわれは十分対処できるか。震災に真正面から向き合った彼の言葉が胸奥に響く。

(東奥日報3月9日夕刊コラムより)

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コメント

ご無沙汰しております。

殉職させないための一斉撤収指示 VS 住民を置いて逃げられないという使命感
この対立は永遠のジレンマなのではないでしょうか。

大災害での死者をゼロにすることは不可能かもしれませんが、できることをやる。
防災・災害対策に身を置くものとして、答えのない問題を解き、ゴールのないレースを走り続けている感覚ですが、しかし、あの惨状を思い出しては、できることをやろう、と心を奮い立たせています。

また更新を楽しみにしています。

逆水行舟さま

またもコメントをいただき、誠にありがとうございました。
確かに「永遠のジレンマ」かもしれません。
正解はないのでしょうが、「防げたかもしれない」という自分の気持ちには忠実でいたいと思います。

発災6周年を東北の地で迎え、形容しがたい感慨があります。
私としては、犠牲者に報いるためにも、語り部をできるだけ継続しようと思っております。
引き続き何かとお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

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