2023年11月21日 (火)

朝日新聞「ひと」欄

本日付の標記記事において、大変ありがたいことに、私のことを取り上げていただきました(警察謝恩伝道士として、というよりも、NPO法人災害時警友活動支援ネットワーク代表理事として)。

https://www.asahi.com/articles/DA3S15797704.html?iref=pc_rensai_long_50_article

このコラムは、昔からかなり訴求力の強いもので、さっそく各方面からメッセージが寄せられました。

出来立てほやほやの当法人ですが、何とかこれをきっかけに、知名度を上げていきたいと願っております。

それにしても、書き手のI記者は、小欄でも何度かご紹介した方ですが、改めてスゴイ人だと感じました。ありがとうございました。


			

一般財団法人浩志会

11月7日に標記団体(官民の人材の資質向上と相互理解の促進を図る官民交流会組織)の研究会員勉強会で講演をいたしました。

私自身も、その昔、研究会員だったのですが、今の若いメンバーははるかにまじめに研究テーマ(=今年は『「個」の時代に「公」を育むには』という難しいものでした)に取り組んでいるという印象を受けました。

講演の内容としては、東日本大震災当時の宮城県警による各種活動をご紹介する「定番」メニューに加え、先日小欄でご紹介したNPO法人災害時警友活動支援ネットワークの設立の狙い等にも触れました。

幸い、若干のインパクトを与えることができたようで、「非常に心に沁みる話が多かった」、「当時の辛い記憶を思い出したが、記憶を呼び起こすことも『次のための教訓』と感じた」といったご感想をいただきました。

また、講演終了後に、「組織として「公」の役割を果たすときに、メンバーの自己犠牲(我慢)を強いることは許されるのか、本人が納得していればそれでよいのか(例えば、大震災のときに、家族が死傷したり自宅が損壊したりしていても、業務に従事させるのは、はたして妥当なのか)」という非常に厳しいご質問(ご指摘)も頂戴しました。正直、答えには全くなっていないのですが、「自己犠牲の極致状況で頑張っている職員に対し、せめて、制度の許す範囲内で、最大の金銭的補填を事後的に行うよう努めた」旨の回答をしました。

東日本大震災のような極端非常時における、しかも警察のような特殊組織の状況から、「個」と「公」の均衡点を見出すのは逆に極めて難しいと思いますが、改めて、当時の組織管理者として至らない点ばかりだった(あそこまでの自己犠牲を強いずに済むような手立てを講じることができなかった)ことを痛感いたしました。

そういう意味でも、逆に本会から貴重な機会をいただいた思いです。誠にありがとうございました。

2023年11月 6日 (月)

いろは川柳「ま」:「魔が差しても妄想だけにとどめよう」

魔が差しても妄想だけにとどめよう

解説ま 人は、バイオリズムの影響からか、行動や判断にブレが生ずるものです。例えば、普段は理性的な人でも、時に、突拍子もないバカな行動を起こす場合があります。「魔が差す」現象は、誰にでも生じますが、そうなった際にそのまま流されず、「来た、来た、『魔が差す』とはこれだ」と認識し、自分を制御することが大事です。妄想だけならOKという度量も必要になります。

参考:「鬼使神差」(鬼が使役し、神が差し遣わす。中国の四字熟語。鬼や神がそうさせるという意味) 「誘惑への一瞬の抵抗は、すべて勝利である」(F.W.フェイバー)

いろは川柳「や」:「やる前の準備が仕事の基本です」

やる前の準備が仕事の基本です

解説や 何事でも成功を収めるには、事前の準備が最重要です。本番前の準備をどれだけきめ細かく行えたかにより、仕事の成否が決まると言っても過言ではありません。災害、事故等、いつ発生するか分からない事象にも、常時備えなければなりません。日常生活でも、幸せを得るためには準備が肝要であり、色々な場面で起こり得るシナリオを事前に想定し、どう対処するか思い巡らす癖を付けることが大事です。

参考:「成功は、いつも事前の準備が好機に巡り会ったときに得られる」(H.ハートマン) 「準備がすべてだと思っている」(本田圭佑)

いろは川柳「く」:「訓練でミスの回数減らせるぞ」

訓練でミスの回数減らせるぞ

解説く 失敗学によれば、「失敗はありふれたもの、むしろ成功は『千三つ』(1000回に3回)」(畑村洋太郎)とのこと。ミスがあり得ると認識しつつ、ミスの数を訓練で減らすことが重要です。訓練は、個人の動作や判断、組織内の連携等、様々な面の水準の向上を目的に、繰り返し実施することが必要です。関連して、失敗を是認するのではなく、教訓として次につなげる姿勢もカギになります。

参考:「優秀さは訓練と習慣のたまものである」(アリストテレス) 「失敗なんかしていない。うまくいかない方法を700通り見つけただけだ」(T.エジソン)

いろは川柳「お」:「お互いにほめ合う職場 チームの輪」

お互いにほめ合う職場 チームの輪

解説お 組織は一種のチームであり、職員は、他の職員に対する思いやり、関心、気配りを忘れないことが大事です。 特に、人間には承認欲求があるので、長所を認められ、やったことをほめられれば、誰でもうれしいものです。チーム意識の高い職場は、お互いに声を掛け合い、ほめ合い、良い刺激を与え合う雰囲気になっていると思います。

参考:「人は長所のみとらば可なり。短所を知るを要せず」(荻生徂徠) 「チームワークといわれるものも、各人の長所をうまく組み合わせることに他ならない」(土光敏夫)

2023年10月13日 (金)

NPO法人災害時警友活動支援ネットワーク

 標記の名前のNPO法人を仲間の皆様と共に設立いたしました!英語名はSupporting Network for Police Veterans/Fellows Voluntary Activities against Disaster(略称SuNPoD)です。

 ホームページ(会員Kさんの苦心の産物)のURLは下記になります。ご覧いただけると嬉しい限りです!

https://www.sunpod2023.com/

 12年前の東日本大震災の際、一部の県警OBから、無償で作業を手伝いたいという非常にありがたいお申し出がありました。しかし、津波警報・注意報がまだ出る現場は潜在的にかなり危険で、何の身分保障等もないまま、いきなりお手伝いいただくわけにはいかないということになり、断念せざるを得ませんでした。

 そういう経緯もあって、いつか警察OBの知見・経験を災害現場で活用するような枠組みを作りたい。こういう野望を抱いておりました。今回、仲間の皆様の絶大なるご協力により、ようやくNPO法人格を得たところです(登記手続終了により913日成立)。

 設立趣旨書にもある通り、このNPO法人は、「災害時の警察活動及びこれに関連して様々な主体が行う災害対処活動(以下単に「災害時警察活動」という。)並びに災害時警察活動に対して警察OBをはじめとする民間有志(以下「警友」という。)が自主的に支援する活動(以下「災害時警友活動」という。)に関する調査研究や、災害時警友活動の実施・普及啓発、災害時警察活動及び災害時警友活動の協働に関する提案・発信等の事業を行うことにより、災害時警察活動の効果的な実施と社会全体の災害対応力の向上に貢献すること」を目指す非営利組織です。NPO法人になれば、災害時警友活動の実施のために必要となり得る災害対応関係機関との協定の締結主体になることができると考えております。

 また、ホームページの代表理事挨拶の部分で、次のように記しました。

 (略)10万人単位の人的被害が見込まれる南海トラフ巨大地震や日本海溝・千島海溝沿い巨大地震の発生時に、同様の事態が生じないと言えるでしょうか。東日本大震災時のような混乱を避けるためには、当時を経験した警察OB等の関係者の知見をもっと活用すべきではないでしょうか。このほか、大規模・長期の応援部隊派遣を受け入れる際のロジ機能(宿泊や飲食物の手配等)も、多忙な現役警察職員に対して、経験豊富な警察OB等がもっと支援できる領域と考えています。

 警察OB等の民間有志の中には、このような現状を憂い、災害時の警察活動及びこれに関連して様々な主体が行う災害対処活動に対し、「共助」の視点で貢献したいと願う者も多いところであり、まさに、そういう同志が今回結集し、「災害時警友活動支援ネットワーク」というNPO法人を設立するに至ったのです。

 我々は、今の各種災害対策の中で、検討・準備が不十分かもしれない分野を見出し、そこに警察OB等の「警友」の知識・経験を投入して、我が国の災害対策水準の更なる向上に貢献したいという野望を抱いています。本年、令和5年(2023年)は、関東大震災100年、日本海中部地震40年、北海道南西沖地震30年の節目に当たります。我々の活動をスタートさせるに当たり、これ以上の年はありません。

 皆様、ぜひ我々にお力をお貸しください!共に災害対策の新展開を目指しましょう!被災者のために!

 まだ生まれたての「よちよち歩き」の法人で、人的基盤・財務基盤の確立を含め、すべてはこれからが勝負になります。具体的な事業内容としても、現役側が必要とする活動類型(ニーズ)と、OB側が提供できる支援活動類型(シーズ)との間のマッチングを含め、まずは調査研究から徐々に始めることになると思われます。その過程で、災害時警友活動の実施・普及啓発等も行ってまいりたいと考えております(「実施」は、災害発生時というより、当面は訓練機会に現場に赴くことを想定しております)。

 小欄をお読みいただいて、もし当法人にご関心を持っていただけましたら、ぜひ下記宛にお問い合わせください!よろしくお願い申し上げます。

E-mail: take292145@gmail.com

2023年9月14日 (木)

京都府福知山警察署における講演

 旧知の同署警備課長のお招きで、96日に講演してまいりました。生まれて初めて山陰線に乗車し、福知山の地に足を踏み入れました。

 福知山は、今年の8月にも台風7号による大雨でかなりの被害を受けたのですが、歴史的にも、由良川水系で大規模水害がたびたび発生しているとのこと。今回は、豪雨の継続により署所在地域に避難指示が出されたとの想定で、警察署の機能維持のための移転訓練を午前中に実施、その後、午後の時間帯に、小欄が講演するという構成でした。

 聞いていただいたのは、署員約50人、警察署協議会委員10人、関係機関(=福知山市、同市消防本部、陸上自衛隊第7普通科連隊(福知山駐屯地)、京都府中丹広域振興局、京都府中丹西土木事務所、京都府中丹西保健所、福知山公立大学等)約10人の合計約70人でした。

 今回は、警察署機能移転がテーマでしたので、定番の講演内容に加え、東日本大震災時の警察署の機能移転例として、気仙沼署と南三陸署の当時の状況を説明いたしました。

 マスコミも、地元紙を含め数社が取材に来ていただきました。

 https://mainichi.jp/articles/20230909/ddl/k26/040/259000c

 実は、最近、関係者(同志)の協力を得て、新しくNPO法人(=災害時警友活動支援ネットワーク)を設立した(詳細は別途書く予定)のですが、もともと、大規模災害発生時における警察・自治体間の連携等の分野で、経験を有する警察OBの知見をもっと活用できるのではないかとの問題意識が設立の出発点になったという経緯があります。その意味では、偶然ではあるのですが、このタイミングで、福知山で講演できた(+当該NPO法人の紹介も若干行えた)ことは、大変有意義でした。関係者に衷心より感謝申し上げる次第です。

2023年8月21日 (月)

いろは川柳「の」:「のめり込む心に待ったを掛けましょう」

のめり込む心に待ったを掛けましょう

解説の 趣味はストレス解消に最適ですが、やり過ぎは禁物です。特に、お金のかかる趣味に、依存症になるほどのめり込むと、経済的にも苦しくなるので、注意が必要です。その行為をしないと不安・イライラが募る状態だとすれば、立派な依存症であり、その行為に自分が支配されていると言っても過言ではありません。そうなる前に自分を律するのが大事です。

参考:「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」(論語・先進篇) 「脳内の快楽物質は麻薬のようなもの。快感を連続して入力すれば中毒化する」(小池龍之介)

いろは川柳「ゐ」:「意気に感じ前進しよう何歳でも」

意気に感じ前進しよう何歳でも

解説ゐ 警察では、一部ベテランの勤務意欲が問題視されることがあり、「中高年対策」という用語があるほどですが、意欲を持って仕事するかどうかは、本来、年齢と無関係のはずです。何歳になっても、人との縁を大事にしながら、自分のやれることにベストを尽くす。一歩でも前に進む。「人生、意気に感ず」とはそういう心境のことでしょう。

参考:「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」(S. ウルマン) 「人生について学んだことは3語で表現できる。それは『人生には続きがある』 (It goes on.)ということだ」」(R.フロスト)

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