2018年8月15日 (水)

警察人生ソネット⑫

「孤独」が楽しきゃしめたもの!

家族や友と過ごすのは 楽しみなれど 人は皆
最後は一人で生きるもの この理(ことわり)を知るべきなり
ネット世界の交友も 孤独の完治は できぬもの
過度に依存し 求めても 逆に寂しさつのるなり

寂しい己を見つめつつ 自然や芸術 味わうなど
孤独を楽しむ達人は 豊かな人生送るなり
孤独が常と知るならば 人の情けがありがたく
絆が大事と悟るなり 人生の意味変わるなり

悲しみ・苦悩は 満たされぬ心がもたらす症状で
その本質は 喪失感 空虚で寂しい感情なり
寂寥感を起点とし 孤独に耐える要領で
自分の心と向き合えば 多少の平安得られるなり

孤独なる自分を見つめ 他人にも相身互いで心を寄せん
寂しさを感ずるときは好機なり 絆の価値が分かるがゆえに

(季刊現代警察第157号より)

警察人生ソネット⑪

「心の病」は「身体の病」!?

喜怒哀楽を感ずるは 頭か心の営みなり
人が思い悩むのは すべて精神作用なり
情報過多の今の世は 仮想と現実 混ざり合い
しばしば我を見失い 寂寥感のみ強まるなり

されど本来人間は 肉体あっての存在なり
精神作用やストレスも 身体を離れたものならず
すべては一如 一体なり 自然の中に身を置いて
背中や胸を伸ばすべし 頭や心も晴れるはず

過度に考え 悩むより まずは戸外で運動せん
行き詰ったら 深呼吸 新たな空気 取り込まん
スマホやパソコン見る時間 削って 花鳥風月を
身体で感じ 愛でるのが 頭と心の良薬なり

バーチャルに浸り 頭で悩むより 身体を動かし 活力を得ん
身体こそ 頭と心の大本で 自分の実在 そのものならん

(季刊現代警察第156号より)

2018年8月 1日 (水)

26フォーラムi

先月20日に、ある官民交流会(勉強会;名前はタイトルの通り)の依頼を受けて、講話を致しました。いつもながらの大震災教訓に加え、その会の研究テーマである「生きがい」について、若干思うところを述べました。

終了後、同会の主宰者の一人であるIさんから、メールが来ました。ご本人の同意を得ずに、その一部を(若干修正しつつ)披露させていただきます。

苦難のご経験と、思い出す感情をともに、肉声で、ときに椅子から立って全身で、伝えて下さいました。警察魂やチームとしての取組みには、胸が熱くなりました。
また、震災でのお辛いご経験から自問自答し続けていること、退官後、所属組織から与えられていた「役割」がなくなり苦しい時期があったこと、語り部をしながらも自己満足ではないか等の葛藤があった(ある)こと、という正直な吐露に心を動かされました。また、
・(震災を経て特に)小さなことも「ありがたい」と思える感覚になれたこと
・自らの「役割」と信じ、語り部を続けていること
・そのうえで、所詮「人生=暇つぶし」なのだと自らを客観視すること

と、「今日に目を向け」、「自分を生き」ていらっしゃることに、大きな勇気を頂きました。

かなり面映ゆい内容ですが、自分では絶対にできないような、非常に的を射た「要約」になっていると感じ、敢えて転載いたしました。

ちなみに、配布レジュメには、下記のフレーズ(生きがいに関する名言で私が気に入っているもの)を掲載しました。 

Ø 生きがいとは、必然性のうちに生きているという実感から生じる。(中略)私たちが欲するのは、事が起こるべくして起こっているということだ。そして、そのなかに登場して一定の役割をつとめ、なさねばならぬことをしているという実感だ。(福田恆存「人間・この劇的なるもの」)

Ø 人生というのは、ストーリーとしてのアイデンティティをじぶんに向けてたえず語りつづけ、語りなおしていくプロセスだと言える。(鷲田清一「語りきれないことー危機と痛みの哲学」)

Ø どうあがいてみても、やっぱり人生は何ものでもないのである。それ自体が暇つぶしなのである。存在が存在するということに理由がないからである。(池田晶子「知ることより考えること」)

Iさんは、仕事はもとより、色々な社会支援活動を積極的に行っている素晴らしい方ですが、そういうIさんはじめ、フォーラムの魅力的なメンバーの方々と知り合えたのは、まさに僥倖でした。



2018年7月18日 (水)

河北警察署

6月18日に河北警察署(石巻市:管轄区域は河北、雄勝、桃生、北上の旧4町)で講話を行いました。

東日本大震災により、同署では3人の警察官が殉職しました。私にとって、当時の凄惨な情景を思い起こすたび、名状しがたい悲痛な思いに襲われる、そういう特別な場所の一つです。平成23年秋に離任した後、関係者のご尽力で同署敷地内(正面玄関脇)に殉職警察官慰霊碑が建立されたのですが、気になりつつもずっとこれまで訪問する機会がありませんでした。今回、当時の署長の格別なお取り計らいにより、ようやく花を手向けさせていただくことができました。そして、現署長のご依頼により、大震災後に拝命した署員を中心にした皆様(周辺署の皆様を含む)の前で、講話をさせていただくこととなったのです。

あの河北警察署で当時のことを語ることが自分にできるだろうか。正直、そういう気持ちでいっぱいでしたし、途中言葉を失う場面すらありましたが、何とか語り終えることができました。ひょっとしたら、なくなった警友の皆様のお力添えがあったのかもしれません。

「私を含め、たくさんの職員が受講中に涙を流していました。辛い事は時間と共に忘れることが出来ますが、絶対に忘れてはいけない事があるのだと思います。家族への感謝、同僚への感謝、生きている事への感謝、思い出すことが出来ました。」 後日、こういう感想を寄せていただいた署員がいます。

今回、河北警察署は、私にとって、これまでと違う意味で終生忘れ得ない場所になりました。

2018年6月 4日 (月)

宮城一高

先月22日に宮城一高「社会人講演会」で講演しました。
体育館で、全校生徒約840名(+先生方と若干の保護者の皆様)を前にして語るというのは、全く初めての経験であり、少し戸惑いましたが、何とかこなしました。

今回は、進路指導やキャリア学習の一環ということでしたので、定番の東日本大震災時の宮城県警活動状況だけではなく、 志を立てよう!(=自分はこうありたい、こうなりたいという大きな夢や高い目標を持つ)、志を持続しよう!(①目指す方向の維持、②巡航速度の維持=習慣の力、③自分を元気付ける→他人を助ける)」といった話や、「 決断・選択のコツ:大きな決断であるほど→直感的に!積極的に!大胆に!迅速果敢に!、小さな選択であるほど→慎重に!時間をかけて!熟慮!他の選択肢を意識!」といった話もしました。

最後に生徒代表お二人から花束とおみやげ物をいただき,感激いたしました。校風なのでしょうか、司会や機器設定等も生徒さん方がやっておられた(旧女子高なので今でも女子生徒が圧倒的に多い)ので,非常に好ましい印象を受けました。高校なのに普段の授業が1時限55分という点も、すごいことだと感じました(80分以上の講演を我慢して聞いていただいたのも、成程という感じ)。 昔懐かしい購買部があるのも,いいなあと感じました。今お世話になっている会社にも、宮城一高出身者(+子女が通っている職員)は結構おられるようで、意外なところで「旧一女で講演されたそうですね」と言われて驚いたりもしています。

ということで、大震災から8年目となっても、まだお声がかかっております。大変光栄かつ有難いことであり、一つ一つの機会(まさに一期一会)を大事にしながら、精一杯務めてまいります。

 

2018年5月 9日 (水)

その後の講演等

しばらく記事を書いておりませんでしたが、その後2月にNTTグループ群馬安全衛生大会、東北管区警察学校、3月には弘前文化センターで、それぞれ講演や講義を行いました。

企業の方、市民の方を含め、好意的なご反応をいただき、大いに励みになりました。災害からの安全安心に対する関心の高さをうかがい知る機会にもなりました(特に弘前市FMアップルウェーブの防災ハンドブックは、非常にクウォリティが高いと感じ入りました)。

その間、大震災発生から8年目に入り、大震災に関するメディア報道頻度も少し減った気が致します。(これと軌を一にするかのように、警察謝恩伝道士への講演ご依頼も、「一段落」状態になってしまいました…)

これが万が一にも大震災の記憶・教訓の劣化につながる現象であるとすれば、残念なことです。引き続き、微力ながら、自分に何ができるか模索してまいりたいと存じます。

2018年2月16日 (金)

札幌講演

2月1日に北海道警、2日に北海道庁で講演しました。前者は本部の教養セミナー、後者は「地域防災マスター」(防災経験のある警察・消防・自衛隊・行政機関のOBをはじめ、各地で防災活動に取り組んでいる方々を認定する北海道の素晴らしい防災制度)に対する研修という位置づけでした。
事後的にご感想等をいただいたのですが、ある警察官からの「セミナーの後、もしもこんなことがあったらと想像し、考え、調べることが増えました。同僚、家族と震災の話や今後災害が起こったときの話をすることも増えました」とのメールを見たときは、うれしい気持ちになりました。また、地域防災マスターの皆様からも、「警察官の心意気に感銘を受けました。同様の気持ちで防災マスターとしての役割を努めていきます」、「やはり現場にいた人の話は迫力がある。伝道師としてがんばってもらいたい」など、数多くのご感想をいただき、今後の強い励みになりました。つたない話でしたのに、このように熱心に聴いていただいた皆様方に、改めて厚く御礼申し上げます。
それにしても、北海道は本当に広く、災害発生時の対応にも物理的な距離の壁があるということがよく分かりました。千島海溝巨大地震も懸念される状況で、皆様のご苦労いかばかりかと、ただただ拝察申し上げる次第です。

2018年2月 5日 (月)

警察人生ソネット⑩

やはり「誠実」が一番だ!

二度ない人生 大切にしようと思わば 実直の
姿勢を貫き 最善を尽くすことこそ大事なり
正しい努力の継続は 真の強さをもたらすと
信じて地道に歩む身に 天恵あるは必定なり

今日は昨日の我に勝ち より良い仕事を成し遂げん
かく念願し 実直に勉励努力 日々続けん
かかる態度は 必ずや 天地と人を動かすなり
至誠を貫く生き様は 豊かな実り もたらさん

器用に振る舞い 右顧左眄するも一つの術(すべ)なれど
「警察人生」太筆の楷書で書くのが理想なり
「至誠通天」至言なり 何事であれ 誠実に
取り組む者は 幸運や周囲の支援を得るものなり

「継続は力」なるゆえ ひたむきに努め続けることが肝要
「至誠にして動かざる者いまだなし」 実直道を極めるが勝ち

(季刊現代警察第155号より)

2018年1月22日 (月)

長崎・香川

112日に長崎、18日に香川でそれぞれ講演しました。いずれも、昔から良く知っている県警本部長からの直接の依頼に基づくものでした。

両県とも、聴いていただいた方々の意識が非常に高く、特に講演後の質疑応答で、本質を突いたご質問(メールを含む)をいただいたことが印象に残っております。また、在職中にお世話になった方々との再会の機会にも恵まれました。

発災後7年を迎えようとしておりますが、今年もこういう形で「警察謝恩伝道」活動を継続できることは大変ありがたいと痛感いたしました。両県とも、空路主体で参上しましたが、大きな遅れがなく無事に到着できたことも幸いでした。

2017年12月 4日 (月)

和歌山講演

1117日に和歌山で講演しました。和歌山は南海トラフ巨大地震等への対策が非常に進んでいる県であり、しかも署長会議における講演でしたので、正直、少し気後れしましたが、非常に熱心に聴いていただき、和歌山にお邪魔して本当に良かったと思いました。

和歌山については、2点触れておきたい点があります。

1つは、JR特急「くろしお」です。今回、新大阪から和歌山まで(往復とも)この特急に乗ったのですが、実は新宮や白浜までずっと紀伊半島の海岸沿いを走っていく列車なのです。そして、この特急の座席ポケットには、旅行案内や買い物案内の代わりに、何と、津波の際の緊急避難要領(多言語表記)が入っていました。しかも、出入り口付近には、避難用はしごが備えてあり、乗客の素早い行動を促していました。さすが和歌山!と感服した次第です。

もう1つは、県警の取組です。毎月5日を「災害に備える日」に設定し、各種対策を確認・実施しているほか、津波避難啓発用映像DVD「より高く!より早く!!」(住民役として地元の方々が登場するもの)を県警として制作し、自治会などに貸し出しを行っているそうです。この点にも強い感銘を受けました。

こういった状況は、機会を見て、他の地域にも伝えて生きたいと強く思いました。

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